『ブロックチェーンの描く未来』読書メモ
GincoのCEO森川夢佑斗さんの『ブロックチェーンの描く未来』を読みました。
暗号通貨・ブロックチェーン系の本を読むのはこれで15冊目くらいになります。今まで読んだ本もブログで整理しなきゃと思っています。
分かりやすい言い回しが多く、理解が深まった本でした。
僕が今まで読んできた本に書かれていない内容(Web3.0やDapps,ブロックチェーンのレイヤー構造)が記されていたので、買った価値がありました。
ブロックチェーンなどの世界は特にスピードが速いので、ブログやTwitterの情報からかなりの時間差があって書籍として出版されます。
Twitterなども有益な情報も多いのですが、断片的なので頭が整理できないこともあります。
時間差はあれど、こうして書籍として体系的にまとめてもらえると個人的には理解が深まりありがたいです。
以下、整理のためメモとして使います。
勉強になった4章の「ウェブと非中央集権」に絞ります。
◆Web3.0の概要
→インタネット黎明期。静的なテキストサイト
→現在。通信速度改善。モバイルデバイス。インタラクティブなコンテンツ。GAFAなどの巨大なプラットフォーム企業。
Web3.0
→非中央集権化。様々なプラットフォームが多層的に重なる世界。データ自体に価値。現実世界と情報世界が同じ法則に近づく。
正直、Web3.0の世界を具体的にイメージできるレベルにはないですが、ぼんやりと見えてきたような気がしました。
特に、現実世界でできることを情報世界(インターネットの世界)でできるようにする取り組みという表現が理解しやすかったです。
例として、現実ではお金を手渡しできるのに、インターネットでは時間がかかること。紙の本は貸せるのに、電子書籍は貸せないといった例を挙げています。
◆ブロックチェーンのレイヤー構造
P2P Protocol(レイヤー0)
→P2P通信によるデータ送受信・伝播
これより上はOSI参照モデルにおけるアプリケーション層。
Consensus Protocol(レイヤー1)
→合意形成とデータ記録の基本システム
Pow,PoS,PoI,BFT
Virtual Machine(レイヤー1.5)
→プログラムの実行マシン&実装言語
EVM,Solidity
Data scaling(レイヤー2.0)
→プラットフォームの処理性能を拡張
LN,Plasma
Basement Dapps(レイヤー2.5)
→プラットフォーム内の基本機能を提供する
Golem,storj,Gnosis
Interoperable Dapps(レイヤー3.0)
→プラットフォーム内外の相互運用性を高める
uPort,0x
Service Dapps(レイヤー3.5)
→プラットフォームを活用した様々なサービス
ゲーム、SNS
Blockchain Interface(レイヤー4.0)
→ユーザーがサービスを利用できるようにする
ウォレット、ブラウザ
技術に詳しい方々でさえ、開発スピードが早すぎて情報を追いきれていないという発言をよく見かけるので、自分のような初心者はまず大枠を掴むのが大事だと思ってます。
このようにレイヤー構造が整理された本はありがたかったです。
非エンジニアでもコツコツ学習して、これからの時代の変化を理解できるようにしたいです!
「自作Web会議システム」noteからの学び
Twitter上で拝見したKohei Tanakaさんの「自作Web会議システム」の作り方noteを購入し、やってみたので備忘録として整理しようと思います。
要望の多かったWeb会議システムが作れるチュートリアル書きました!
— Kohei Tanaka (@kolife01) 2018年8月18日
ビデオ通話、リアルタイムチャット、音声認識、自動文字起こしが出来るようになります!
Webアプリとしてデプロイする所まで解説しています。
Progate一周した後にオススメです。#自作Web会議システムhttps://t.co/WXa9rQgq8o
1ヶ月ほど前にProgateでプログラミングを学び始めたIT初心者なのでまだ早いかなと思いながらも、目標点を見るのも大事だと思ってnoteを購入しました。
ちなみに自分のレベルは、8月からProgateを始めて、HTML・CSS、JavaScript、JQueryを一周した程度です。理解が浅いところがあるので復習をしようと思っている段階です。
ITに興味を持ったのが最近なので、IT偏差値でいうとたぶん40以下だと思っています。
有料noteなので重大なネタバレにならないように気をつけながら、勉強になったことを整理しようと思います。
勉強になった点
・API
・ローカル環境(MAMP)
・エラーの対処法(ググる力)
・デプロイ
◎Webサービス開発の面白さ
Progateでは学んでいないことも多くあり、とにかく知らない用語は一つずつGoogleなどで調べながら進めていきました。(API、ローカル環境、ディレクトリ、ターミナル、デプロイなどの用語は理解していないレベルでした)
用語の意味を理解すると、成長した感覚があるのでモチベーション向上につながったように思います。
APIという言葉は聞いたことがありましたが、実際に音声認識やチャットやビデオ会議のAPIを利用する体験をすることで理解が深まりました。『APIエコノミー』という本も買ったので読んでみようと思っています。
僕のPCはWindowsだったので、ローカルサーバー構築のためにMAMPをインストールしました。そもそもローカル環境の意味すら知らなかったので、勉強になりました。
ググる力の重要性も体験することができました。下の項目で整理しますが、つまづいたところも少しだけありました。
よくTwitterでググるのが大事というツイートを見ますが、本当にその通りで、根気強くググっていけばだいたい載っていました。Qiitaというプログラマの問題解決サイトもかなり有用だということがわかりました。
一番学びとして大きかったのは、Webサービスをつくる感動を体験できたことです。
音声認識も、ほぼ正確に自分の話した内容を認識して表示するので驚きました。それもたった20行程度のコードだけで!
そして、音声認識機能とチャット機能とビデオ機能を組み合わせて「Web会議システム」が完成した時も本当に感動しました。
僕のようなプログラミング初心者の方も、一度挑戦してみることをオススメします。
つまづいたところ
・JavaScript読み込みエラー
・デプロイエラー
noteは非常にわかりやすく進められるようになっています。ただ僕は前提知識の浅いProgateを始めたばかりの初心者なので、つまづいたところは少しありました。
僕はWindowsだったのでローカル環境構築のためにMAMPをインストールしました。(WindowsならXAMPPの方が良いとも書かれていましたが)
そもそもローカル環境って何?ってレベルだったので、調べながら進みました。
MAMPをインストールしたはいいけど、うまく機能しません。つまづいたのはディレクトリでした。 僕は作ったフォルダを適当に入れていたのでうまくいきませんでした。MAMPのhtdocsに入れたら正常に機能しました。
ググったり、JavaScriptの本を立ち読みしたりしながら原因を探しました。(基本中の基本だと思うのですがProgateだけの知識ではたぶんわからないはず)
他にもJavaScriptの読み込みができてなくてつまづきましたが、consoleからerror表示をコピペしてググってなんとかなりました。
ちなみにエラーの内容は、APIコードを「"」で囲っていなかったり、コードでない部分までコピペしていたなどです。(初歩中の初歩のミスですね)
デプロイの時も一時止まったのですが、エラーの内容をそのままググってQiitaに書いてあった通り進めたらうまくいきました。
エラーが解決してうまくいった時は喜びでした。
僕の低次元のエラーと比較するのは恐れ多いですが、エンジニアの方々は日々闘っているのだと実感し、尊敬の念を抱きました。
また、本格的にプログラミングを学んで1.5カ月でこのシステムを作ってわかりやすくnoteにしたKohei Tanakaさんも尊敬しました。
本当に素晴らしいチュートリアルですので僕のようなプログラミング初心者の方も一度挑戦してみることをオススメします。Webサービスを作る楽しさを知ることができると思います。
「AI失業前夜」読書まとめ
トムタです。
前回の記事に引き続き、AI関連の本のまとめです。
今回は『AI失業前夜-これから5年、職場で起きること』という本を読みました。
印象深かった内容だけまとめます。
◆AIが仕事を奪う気配がない理由
本の中で一番興味を惹かれた内容です。
「なぜAIが仕事を奪う気配がまだないのか」という疑問に回答してくれています。
AIは知的労働であるホワイトカラーの仕事も奪うと散々世間では言われていますが、そんな気配が今のところありません。
多くの理由はありますが、僕が納得できた回答の一つは以下です。
「AIを支える大型コンピュータの台数が現時点では少なく、まずは自動運転と金融に集中してその貴重なコンピュータパワーを注入しているから」
詳しい説明に移ります。
信じられない話ですが、2011年になって初めてコンピュータの処理能力が人間と同等になったようです。(人間の脳は1秒間に1×10の16乗回の計算能力を持つ)
そして、2012年にGoogleが世界で初めて「自分で学習して猫を認識するAI」を開発しました。これはAIが自ら学習するという「ディープラーニング」という新技術であり、AIの世界では50年来のブレークスルーであったようです。
2011年にハードウエアが、2012年にソフトウエアが人間の脳に迫ってきました。こうして技術の発展があったことで、数年前からAIと騒がれ始めてきたんですね。
AIは膨大な計算処理を支える超高性能なコンピュータを必要とします。
しかし、現在でも人間の脳の処理能力を超えるコンピュータが世界中で数十台しかないようです。
そのため、数少ない貴重かつ高価なコンピュータを使ってAI研究するにはコストパフォーマンスが重要です。そこで、市場が大きい「金融」と「自動運転」という分野に集中しているというのが現状のようです。
当然、コンピュータの処理能力は年々上昇しています。15年前の世界最高性能のコンピュータは、現在ではプレイステーション4の処理能力と同等で10万円以内で買えるようになっています。
つまり、今後AIを支えるコンピュータの性能が上昇すれば、金融や自動運転以外の分野にもAI研究が波及していくということです。コンピュータの性能は追い付いていないですが、AI研究者は数多くいます。
この業界のスピードは恐ろしく速いので、あっという間に金融や自動運転以外の専門性を持つAI(特化型AI)が登場すると予想されます。
そして、2030年代には更なるブレークスルーがあった場合、汎用型AIという万能型のAIが登場する見込みもあります。
当然「フレーム問題」など他にも多くの問題点はありますが、ホワイトカラーの仕事がなくなっていくのは必然の流れだと思います。
本題に関しては以上です。
他にも、ベーシックインカムや現代の幸福論、日本の労働環境の変化、AI社会での日本の対応予想など興味深い内容が書かれています。今まで読んだAI本の中では一番バランスが取れている本という印象でした。
最後に、「じゃあ私達はどうしたらいいの?」という疑問への回答もちゃんとしています。
①AIを使いこなす仕事
→AIの勉強をする、AI商品を使うことから始める
②人間にしかできない仕事の能力を磨く
→コミュ力
③頭と身体を使う仕事
→AIに比べてロボットの発展はそこまで速くない。特に指の再現は難しいらしい。
④投資(特に転職をしない40代以降)
→今後、人的資本の価値が下がる。AIの発展によって儲かる仕事が減っていく。今のうちに金融資本を増やしておくべき
AIの研究投資資金を比較すると、アメリカのIT企業(Amazon,Google,Facebook,Apple,Microsoftなど)と中国が圧倒的です。日本の最先端企業の研究投資資金の100倍以上というから驚きです。
日本はAI後進国になる可能性は高いですが、ロボット工学においては先進国であるようです。
AIが世界を変えるイノベーションであり、将来のインフラであるならば、AI企業に投資するというのは正攻法だと思います。
ちなみに私はGoogle,Amazon,Alibabaに投資をしています。(確かAI投資額TOP3だった気がしてます)
AI企業に投資をすると同時に、AIやブロックチェーンなどの技術についても勉強を重ねていきたいと思っています。
前回読んだ本「AIで仕事がなくなるウソ」のまとめはこちらです。
『AIで仕事がなくなる論のウソ』読書まとめ
トムタです。
『AIで仕事がなくなる論のウソ』という本を読みました。
著者は雇用ジャーナリストの海老原嗣生さんです。「エンゼルバンク‐ドラゴン桜外伝‐」の主人公、海老原康生のモデルになった方です。
よく「今後15年で今ある仕事の半分が消滅する」、「人類の仕事の大半がAIや機械に置き換えられる」という話題がでます。実際にオクスフォード大学や野村総合研究所がレポートを出しています。
本に書かれた内容で、これに関連した部分をまとめます。
・AI専門家は他の職業の細部まで理解していない
AIやロボットに関する知識は豊富でも、他の職業や仕事に関しては素人です。
「細分化された仕事」と「職業」はイコールではないということです。
例えば「事務」という職業をとってみても、数値入力という仕事は自動化が可能ですが、クレーム対応や後輩指導という機械化が難しそうな仕事もあります。他にも細かい仕事もたくさんおこなっているはずです。
AI専門家は「事務」という職業の仕事を全て理解しているわけではなく、粗い研究ということでした。
・技術的に代替可能性があっても、コストまでは計算していない
レポートで出されているのは「代替可能性」であって、技術的に置き換えが可能であるかという視点だけです。なので、機械やAIの導入コストやランニングコストと比較して、人件費の方が安かったら当然置き換えは起きません。
・日本はAI以前にITの導入が進んでいない
アメリカと比較すると、日本はITの導入が進んでいないため、AIだと騒ぐ前にまずIT導入を進めた方が良いということです。日本のIT化はまだまだ余地があり、生産性を高めるチャンスでもあります。デービット・アトキンソンさんの「新・生産性立国論」にも同じことが書いてあったと思います。
・AIだけでなくロボティクスも大事!日本はロボティクス先進国
マスコミが「AI」というワードだけ煽ったせいか、「なんとなく怖い」というイメージが先行しており、「機械」や「ロボット」と同義語で使われているという印象もあります。
そもそも「AI」の定義ははっきりしていませんが、AIは脳の代替であり、ロボットが身体の代替くらいは使い分けていくべきだと思います。
日本のAI研究はアメリカや中国に比べて大きく遅れをとっていますが、ロボティクス(ロボット工学)では先進国であるようです。
・一気に変わるのはAIが特化型から汎用型に移行した段階から
この本の時間軸はあくまで15年後までです。つまり2033年頃までの話をしています。
現在「特化型AI」(囲碁の特化したAIや自動運転に特化したAIなど)の発展が目覚ましい状況です。特化型のAIで段階では仕事の消滅スピードはそこまで速くないようです。
しかし、将来イノベーションが起こり、「汎用型AI」(万能型)が出てくると状況は一変するようです。汎用型のAIが出てくるのは2030年代ではないかと予測されています。
以上です。
私も最近ITに興味を持ち始めたばかりなので知識はまだ乏しいですが、AIについても技術的に詳しくなりたいと思っています。
ディープラーニングの技術的な仕組みを理解できる人間になるため、日々勉強していきます。
ゴールドの価格決定要因とビットコイン
TOMTA(トムタ)です。
『中央銀行が終わる日 -ビットコインと通貨の未来-』(新潮選書)という本を読みました。著者は早稲田大学大学院の岩村充教授です。
先日のhashhubカンファレンスにもスピーカーとして出ていた方ですね。比較的早い段階からビットコインについての論文を書かれていた有名な教授のようです。
表紙の雰囲気から硬い文章を覚悟していましたが、かなり理解しやすい言い回しをしてくれているので、思っていたよりも読みやすい本でした。
本書のなかで、ゴールドの価格についての記述がありましたので触れたいと思います。
◆ゴールドの基礎知識
本書に書かれている内容ではありませんが、ゴールドの基礎知識を整理します。
まず、ゴールドの希少性についてです。
地球上で採掘可能なゴールドの総量は21万トン程度で、既に約17万トンは採掘済みだそうです。この量はオリンピックプール3杯分です。年間では3000トン採掘されています。
そもそもなぜ総量が決まっているかというと、ゴールドは地球上の物質ではないからです。ゴールドは39億年前の隕石群が地球にもたらした産物だそうです。
歴史上、錬金術に挑戦した人はたくさんいるそうですが失敗に終わったそうです。そのため、ゴールドの希少性は保たれて続けてきました。
(※現代では理論上は可能のようですが、莫大の時間と費用がかかるようです)
次に、ゴールドの主な用途を分類してみます。
・宝飾品
・電気の良導体としての工業用途
・富の象徴(資産)
上の2つは実需、最後は投資用需要といえます。
何で見たか忘れてしまいましたが、宝飾が50%、工業用が10%、投資用が30%、その他10%程度だったと記憶しています。
◆ゴールドの価格決定要因
ここからが本書の内容です。
金に高い値が付くのは、それが美しく光りネックレスや指輪に使えるからではありません。(中略)それを地下から取り出して精製するのに膨大な費用がかかるからです。
金の価格は、その金を掘り出して使えるようにするためにどれほどの対価が必要かということと、そうした対価を払って手に入れた後の値動きをどう読むか、その二つにかかっているわけです。
僕はゴールドの価格が高いのは、地球上の総量が決まっていて希少性があるために需要が大きいからだと単純に思っていました。
そして、採掘と精製に膨大なコストがかかっているとはあまり考えていませんでした。
ゴールドの価格が上昇するならば、コストをかけて採掘して利益を出そうとします。(流通量は増える=希少性は薄れる)
ゴールドの価格が下落して原価割れするのであれば採掘をストップします。(流通量は減る=希少性は増す)
こうしてゴールドも需要と供給で価格が決まるという市場原理が働いています。
ゴールドの大事な点を整理します。
・採掘と精製に膨大なコストがかかっている
・価格には需給の市場原理が働いている
このことから、採掘と精製の膨大なコストは価格の下支えになっていると言えるのではないかと思います。
◆ビットコインの価値と価格
ビットコインは、このゴールドの市場原理に倣って考え出されたものです。
マイナーもビットコインの価格が上がるならマイニングに参入し、原価割れするならばマイニングから撤退するということになります。
そのため、マイナーの損益分岐点となる価格が市場で意識されています。
ビットコインがゴールドと違う点は、供給量(供給ペース)が初めから決定されていることです。
約4年ごとの半減期があり、マイニング報酬が50BTC→25BTC→12.5BTC→6.25BTCと供給量が減少していく設計になっています。
ナカモトサトシのホワイトペーパーには「インフレなき通貨」を目指すと書かれていたのに供給量を固定する設計になっており、「ビットコインの価格が上がるようにわざとデザインされた不自然なシステム」だと岩村教授は言っています。
供給量が固定されることで価格の変動が激しくなるため、ビットコインが「貨幣」にはなっても「通貨」になりえない要因になっているということです。
やはり貨幣の専門家であるため、貨幣や通貨という視点で見るのは当然かと思います。
僕個人的には、ナカモトサトシは中央銀行や法定通貨のシステムに疑問を抱いていたから、アンチテーゼとしてビットコインを作ったのではないかという説が一番しっくりきます。
価格が安定した「通貨」を作ることが一番の目的でないのであれば、あの設計は納得ができます。
ただ「ビットコインは通貨であるか否か」問題はもはやどうでもよくて、通貨ではない新しいアセットという捉え方でよいと思っています。
あと2年した2020年にはマイニング報酬6.25BTCになる半減期を迎えます。
そして、これから機関投資家の参入により需要が増すことが予想されています。
供給が減り、需要が増すという状況であれば、価格は上がるはずです。(当然もっと複雑な要因があるはずですが)
ビットコインの価値と価格について整理します。
ビットコインは、
・発行上限がある希少性
・非中央集権の無国籍世界共通通貨
・生まれながらのインターネット通貨
・世界一セキュリティの高いブロックチェーン
などの価値を持っています。
そして、ビットコインの価格はゴールドと同じ市場原理が働いています。今後ビットコインは供給減は確定しており、需要増が予想されています。
今回の読書で、ゴールドの採掘コストという視点が一番学びが大きかったと思っています。
今後もゴールドと同様の価格メカニズムが働くのか、これからのビットコインを見届けたいと思っています。
この「中央銀行が終わる日-ビットコインと通貨の未来-」という本はかなりの良書だと思います。この本でメインテーマの中央銀行に関しても内容が濃いので、いつかブログで触れたいと思っています。
トムタ
インターネットの仕組みがわかりやすく書かれた本『メールはなぜ届くのか』メモ①
( ※IT初心者用の記事です。)
IT素人の僕がブロックチェーンを学ぶにあたり、インターネットの仕組みから理解したいので、現在プログラミングと並行で勉強をしています。
以前の記事で『これならわかるネットワーク』(2008)という本のまとめをしました。
今回も草野真一さんの『メールはなぜ届くのか』(2014)から学ぼうと思っています。
内容のレベルは、今回の本の方がさらにわかりやすく書かれているので僕のようなIT素人でも充分理解できました。
内容を整理します。
◆0と1のデジタルデータ
コンピュータは0と1のデジタルデータで通信しているというのは多くの方が知っていると思います。
0と1は電気のオンオフにあてはめることができるので、コンピュータで処理をして伝達をおこなっています。
こんな感じのデータです。
0011010011010110101011100110101111・・・・・
データを構成する1が一つ欠けたり、数値が一つ間違っていても正しく表示されません。
当然、メールも0と1のデータでやり取りされます。
◆プロトコルの重要性
インターネットについて勉強していると、「プロトコル」という用語がたくさん出てきます。意味は「取り決め」です。
インターネットは通信をするための多くのプロトコルによって成り立っています。
本で書かれていた例を紹介します。
例えば、Aさんは画像のデータをBさんに送りたいと思っています。
しかし、Bさんに送られたデータを表示してみると意味不明な文字の連続ということが起こりました。
これはプロトコルがはっきりしていないから起こった事象です。
つまり、画像なら画像のプロトコル、メールならメールのプロトコルに沿った通信をしなければならなかったのです。
プロトコルがないとインターネットにおける秩序が保たれないということがわかる話でした。
インターネットの歴史で、プロトコルを定めたすべての方々に敬意を表します。
◆インターネットとウェブの違い
僕を含むITに詳しくない一般人は、インターネットとウェブの違いを詳しく理解していないように思います。
「インターネットで買い物をする」、「インターネットで調べ物をする」と多くの人は言っているけれど、正確にはインターネットというよりは「ウェブ」だということを知りました。
まず、「インターネット」とは、コンピュータ同士のつながりであり、世界サイズのコンピュータネットワークです。
なので、インターネットは道路とか線路とかのようなインフラを指す言葉だということです。
それに対して「ウェブ」は、インターネットの応用技術の一つです。
インターネットという基盤(インフラ)があることよって、ウェブページのデジタルデータのやりとりができます。
ウェブページのデータをやりとりするためのプロトコルが「HTTP」です。
「http://www.~」という表示は誰もが見たことがあると思います。
「HTTP」は、ウェブページ同士リンクができる仕組みを支えています。
つまり、
ワールドワイドウェブ(WWW)とは「ウェブページ同士のつながり」。
インターネットとは「コンピュータ同士のつながり」。
であると言えます。
僕達は楽天やAmazonのウェブページ上で買い物をしていることを意識しました。
「インターネット」という用語で伝わる世の中ですが、今後は用語の意味を正しく理解した上で使っていこうと思いました。
まだまだインターネットの仕組みには触れていないので、また別の記事に書きたいと思います。
「価値の保存」の4段階レベルからビットコインを考える
TOMTA(トムタ)です。
以前ALISの記事にも書いた内容ですが、このブログにも載せます。
ビットコインに関しての議論でよく「価値の保存」ってワードを聞きますよね。
「ビットコインはデジタルゴールド」とか、「ビットコインは価値の保存機能に適している」という話題で議論がなされていて非常に面白いです。
まず、基本として「通貨」の3つの機能は、
①交換手段、②価値の尺度、③価値の保存
です。
ここでよく①と③のどっちが重要かという議論が巻き起こっていますが、この記事ではとりあえず置いておきます。
ここからが本題です。
「価値の保存」には4段階の要求レベルがあることを学びましたので、紹介します。
<価値の保存の4段階要求レベル>
「価値の目減り」
「名目価値100%保存」
「実質価値100%保存」
「価値を増やしながら保存」
1.価値の目減り覚悟
例えば、重さで価値が決まる硬貨があったとして、削れていったら価値は目減りします。これは価値の保存としては最低レベルです。
だから、価値が目減りしないように保存が利くコメや、金銀銅といった金属が歴史的に使われるようになったようです。
2.名目価値100%保存
「一万円札」は一万円の価値を保つことができます。
「一万円札」は少し破けたからといって、価値が9990円にならないという意味です。
しかし、名目価値100%ということはインフレに弱いということを意味しています。
3.実質価値100%保存
物価が5%上昇した時に、通貨の価値も5%上昇する仕組みがあれば、実質価値100%の価値が保たれているということです。
(※2で、紙幣などの現金はインフレに弱いという表現としてしまいましたが、物価が上昇すると預金金利も上昇するという原則はあるようです。ただ、現在は原則通りになっていませんし、将来も成立するのか疑問視しています。)
4.価値を増やしながら保存
インフレの状況下でも実質価値100%以上を目指すということです。
以下、この4段階の「価値の保存」要求レベルを知った時に気づいたことです。
・ビットコインを「ボラティリティ(変動率)が高いから価値の保存には向かない!」と主張する人は、3の実質100%つまり「価値を増やしも減らしもしないこと」を「価値の保存」と解釈しているのではないか。
・ビットコイン投資家は、4の「インフレ下でも価値を増やすこと」、具体的には、「法定通貨の価値の下落を想定し、長い目で見て価値を増やすこと」を「価値の保存」と考えているのではないか。
⇒「価値の保存」論争は、そもそもの定義や前提の違いが原因で噛み合っていないのではないかと思った次第です。
私個人としては、ビットコインに国や政府の管理下に置かれない「非中央集権の無国籍通貨」としての価値を感じるようになりました。
法定通貨の仕組みに対して疑問を持った人達が、ビットコインに「価値の保存」を求めているのだと考えています。
まとめです。
・「価値の保存」にも4つのレベルがある
・ビットコインに「価値の保存」を求める投資家は、法定通貨の仕組みを信用していない人が多いのではないか
価値の保蔵の要求レベルに関する内容はブルーバックスの『暗号が通貨になる「ビットコイン」のからくり』という本で書かれておりました。
2014年の本ですが、通貨全般に関する書籍として非常に良書だと思います。
今度改めて記事にできたらと考えています。